冷やし麺協会


このページでは冷やし麺協会について紹介いたします。

冷やし麺協会とは新潟ラーメンガイドが新潟・山形・福島を中心とした冷やしラーメンを中心に、冷やし中華や冷やしうどん、冷たいそばなどあらゆる冷やし麺についてまとめてまいります。

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冷やし麺の代表格、冷やしラーメンとは?

冷やしラーメン(ひやしラーメン)は、山形県、福島県、新潟県などで食べられている郷土料理で、読んで字の如く冷たいラーメンであり、スープも麺も冷たく、氷を浮かべることもある。冷やし中華との違いは、基本的に通常のラーメンと同じようにたっぷりのスープに麺が浸されている。スープは醤油味が一般的で、冷やし中華のように酸味は強くない。
ただし、つけ麺のつけ汁が冷たい冷やしラーメンもあり、冷やしラーメンでもいろいろなタイプがある。
なお、北海道では冷やし中華のことを冷やしラーメンと呼ぶこともあるようで、東洋水産がマルちゃんブランドとして販売している「冷しラーメン」は冷やし中華のことである。
山形県のものが冷やしラーメンの元祖としてよく知られているが、それ以外の地域で考案された「冷やしラーメン」もある。

日本各地の冷やしラーメンは以下の通りとなっている。

山形県
山形県山形市本町のラーメン店「栄屋本店」の初代店主が、夏に冷たいラーメンを食べたいという常連客の要望で開発を始め、試行錯誤の末、1年かけて1952年に完成させた。

山形市は盆地に位置するため、1933年7月に気温40.8度を記録し長らく日本最高記録だったほどであり、夏の暑さは厳しい。温かいラーメンの需要は落ち、冷たい蕎麦からの発想で、ラーメンも冷たくなったのではないかと、ラーメン評論家の大崎裕史は推測している。

山形ラーメンは醤油味が圧倒的に多く、山形(内陸部)の冷やしラーメンも同様に醤油味がほとんどである。山形(内陸部)の冷やしラーメンが東京圏に知られるようになったのは2000年頃で、2013年頃の東京での冷やしラーメンは煮干しから出汁をとったものがトレンドになっており、塩味、トマト味、豚骨味など各店舗でのバリエーションも豊かになってきている。

福島県
1952年2月に福島県会津坂下町でも「冷やしラーメン」が誕生している。冬に食堂「いしやま」を訪れた、風邪のための高熱で食欲のなくなった女性にラーメンの麺を水で洗って食べさせたのが発祥とされる。

麺食が経営するチェーン店「喜多方ラーメン坂内」では、平打ち縮れ麺にカツオと煮干しの和風だしの醤油味ベースのスープの「和風冷やしラーメン」を販売しており、2011年にはローソンでも喜多方ラーメン坂内がメニューを監修した冷やしラーメンが期間限定で発売された。

2015年に、発祥の店である食堂「いしやま」と道の駅あいづ 湯川・会津坂下で家庭用商品を発売している。

新潟県
長岡市栃尾地域の鈴多食堂(1935年創業)が戦後に提供を始めたとされる。裏付けのある正確な登場時期は不明だが、1950年代とされる。同店では「ラーメンの冷やし」と称するが、他店でも追随し、冷や丼(冷やし丼)とも呼ぶようになった。ただし、単に冷やしラーメンと称する店が多数派である。細麺の醤油味が基本。

東海地方
静岡県旧志太郡(藤枝市、焼津市、島田市)では、水で締めた麺に酢の入っていない甘口スープの「冷やしラーメン」を提供する店もある。発祥は不明だが、1919年創業の「マルナカ」では戦前から冷やしを提供していたという証言がある。1978年に寿がきや食品が「冷しラーメン」を発売し、以後、東海エリアでは夏の食事として多くの人々に愛されている。

鳥取県
鳥取市のご当地ラーメンに素ラーメンがあるが、鳥取市役所食堂では夏季限定のバリエーションとして出汁、麺を共に冷やしてゴマ油を効かせた「冷やしラーメン」が販売される。なお、スープは冷やしたうどんの汁となる。